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6月26日~7月7日掲載 「女性の扱い方」を問う

「女性の扱い方」を問う

 男社会といわれる医師の世界にも女性医師が随分増えてきた。いいことだと思う。最初のうち、少数派というのは肩身の狭い思いをする場面が少なからずあるだろうが、めげずに頑張って欲しいとエールを送りたい。それはさておき、そのような時代の変化も影響しているらしく、千葉県内の4つの病院が女性専用外来を始めるとのこと、昨年9月から県立東金病院でスタートした女性専用外来では順番待ち患者が出るほどの人気を博したため、県としてはこの種の外来に対する期待はかなり大きいと見たようである。県からは数千万円の補助金も出るという。女性専用外来というからには、いうまでもなく患者はすべて女性に限定され、診察は女性医師があたり、その他の職員もできるだけ女性にするのだという。対象となる病気は当然、女性特有の病気や骨そしょう症など女性に多い病気になってくる。このような動きは千葉県だけでなく、東京などでも「女性専用」を看板にした医療機関は少しずつ増えているようだ。需要が多いというから、それを望む女性もたくさん存在するのだろうが、何だか私は諸手をあげて喜べない。何より「女性のための…」とか「女性だけ」とか「女性限定」といった類のものが苦手、無駄な特別扱いはして欲しくないと思うタチである。
 多くの女性は、これまで産婦人科医師に代表される男性医師の心無い言葉やしぐさに傷ついたり不快な思いに耐えてきた。忘れっぽい私でも、思い出すとハラワタ煮えくり返るようなことがないわけではなかった。特に産婦人科の内診は、仕方ないとはいえ何とも嫌なものだ。若くなければ、結婚経験があれば別に恥ずかしがることはないだろうと、ほとんどの無神経な医者は言ってのける。子宮がんの検診が普及しないのは当たり前で、気になる症状もないのにすべての女性が「定期的な検診」などに足を運ぶわけがない。乳房をはさむようにして診る乳がん検査「マンモグラフィ」も同じこと、疫学的データだけを鵜呑みにして、医療機関での検診を声高に勧める医者やマスメディアの連中は、あまりにお気楽で能天気ではないか。そういう輩は何かが大きく欠落している。しかし、そんな暴言を吐くような医師らは、男性だからというよりも、人間として、あるいは専門家として未熟で傲慢だからである。人の気持ちが分からない、何が大事なのか判断できないからなのだ。決して「男性」という性にだけ原因があるわけではない。逆に考えれば、女性医師だから、皆が皆思いやりがあって女性の気持ちや立場を察してくれて、女性特有の病気に精通しているとは限らない。要は「人間性」の問題だろう。女性医師だけで構成され、職員もすべて女性なんてところは私なら嫌だ。それだけが「選択の条件」というのは変だと思う。この世はどこを切り取っても、どの分野においても女性と男性がそこそこバランスよく生活し、働いているのが最も自然。男性だろうが女性だろうが、信頼できる人間性と技術があればそれに越したことはないはずである。
 そうはいっても、この世は(特に日本は)男性主導すぎて、時にうんざりすることも確かにある。しかし、勝れた女性は、そんな男社会の中で堂々と存在し、みずからを成長させてきた。それこそが「本物」。「女性」を強調する風潮がなぜ嫌いかといえば、そのような、ある種ぬるま湯のようなところにいると、多くの女性は甘えて世の中のことが見えなくなる傾向が強いからだ。相手が医師であれ技師であれ、あるいは男性でも女性でも、嫌なことは嫌と言い、互いに甘えることなく自分の考えや主張をバランスよく発言する力を持つこと、それが最も大切だと思う。

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